小学校部会の分科会は大会ごとに10近く持たれ、これまでに膨大な数の研究成果を上げている。
その内容は50周年記念誌の第II章末の資料章末の資料を見ていただきたいが、ここではいくつかの領域(体操および徒手体操、器械運動および器械体操、陸上運動、ボール運動、表現運動、リズム運動およびダンス)の分科会主題を大会開催年度順に一覧としてまとめた。また、総則に関わる体育の分科会主題も掲げた。
しかし、近年は、特に領域ごとの研究でなく、多領域を対象とした体育学習自体の研究がすすめられるようになった。これは、学習指導要領の目的との関係であろう。
第19回大会(1980年)を境に、テーマの設定の仕方が激変する。この体育学習自体の研究も、大会ごとの主な分科会主題を掲載した。第18回大会以前のテーマ設定と比較されたい。
分科会主題(体操および徒手体操領域)
| 第1回大会 | 「徒手体操の効果的な指導はどのようにしたらよいか」 |
|---|---|
| 第3回大会 | 「児童期に適した陸上運動の効果的指導法」 |
| 第4回大会 | 「陸上運動における指導の問題点」 |
| 第5回大会 | 「陸上運動」 |
| 第7回大会 |
「陸上運動のなかで体力つくりをどうすすめたらよいか」 |
| 第8回大会 | 「軽快で楽しい陸上運動」 |
| 第9回大会 | 「活動力を高めるための走跳運動の指導法」 |
| 第11回大会 | 「たのしく きたえあう 陸上運動の指導」 |
| 第13回大会 | 「走り高とびの学習指導における子どもの意識」 |
| 第14回大会 | 「障害走・走り高とびの特性をおさえた段階的指導-ひとりひとりの実態に応じて-」 |
| 第15回大会 | 「走をつくり走を生かし走をつなぐ動きの高まりをめざして-リレーと走り幅とびを中心に-」 |
| 第16回大会 | 「ひとりひとりが、目あてをもって取り組む陸上運動」 |
| 第17回大会 | 「ひとりひとりを楽しく取り組ませる走運動の指導-リレーに視点をあてて-」 |
| 第23回大会 | 「一人一人が喜んで陸上運動(走・跳遊び)に取り組む学習の指導はどうすればよいか」 |
| 第24回大会 | 「一人ひとりがめあてをもち意欲的に取り組む楽しい体育学習をめざして-基本の運動と陸上運動-」 |
| 第25回大会 | 「伸びる喜びを味わう陸上運動の学習指導を求めて」 |
| 第28回大会 | 「一人ひとりの子どもの自ら学ぶ力を育てる体育学習をめざして-陸上・ボール・器械運動を通して-」 |
陸上運動は児童に好まれない実態がある。
他方、陸上競技の技術的研究から技能面の研究は進んでいる(第1回、第3回、第4回、第5回、第7回)。
しかし、ここで解明された技術の伝承だけでは、陸上運動の指導は単調になり、児童の興味関心は薄らいでくる。
このギャップをうめるため、技能内容では、技能の発展段階に沿って「初歩的・基礎的技能」や中心技能が検討されたり、学年に応じた技能のポイントの把握が試みられた(第11回、第14回、第15回)。
また、児童の課題意識の持ち方や意識の発展も研究された(第13回)。
これらに基づきながら、児童の実態に応じ「めあて」や「めやす」を設定できるようにし、意欲的な学習をめざすようになってきた(第16回、第24回、第25回、第28回)。
また、リレ ーは児童が好む種目として数回取り扱われている(第15回、第17回、第23回)。
分科会主題(ボール運動領域)
| 第1回大会 | 「ボール運動のゲームの基礎技能を、どのように指導したらよいか」 |
|---|---|
| 第2回大会 | 「ボール運動のゲームに必要な、基礎的技能の指導はどのようにすればよいか」 |
| 第3回大会 | 「ボールゲームに生かす個人集団技能の学ばせ方」 |
| 第4回大会 | 「ボール運動における指導の問題点」 |
| 第5回大会 | 「ボール運動」 |
| 第7回大会 |
「ボール運動における効果的な学習はどうあるべきか」 |
| 第8回大会 | 「ゲーム能力を高める方向での体力づくり」 |
| 第9回大会 | 「ゲームの中でひとりひとりの技能を生かすための指導法」 |
| 第11回大会 | 「楽しくゲームをさせる効果的な体育指導」 |
| 第12回大会 | 「意欲的な体育学習の創意とくふう」 |
| 第13回大会 | 「サッカー学習指導における子どもの意識」 |
| 第14回大会 | 「ゲームの質を高める指導の工夫」 |
| 第15回大会 | 「ボール運動において、ひとりひとりが課題をもって取り組む授業の追求」 |
| 第16回大会 | 「仲間と共に課題に解決に熱中し、一人一人の喜びが高まるボール運動の学習」 |
| 第17回大会 | 「評価の工夫をとり入れたボール運動の指導」 |
| 第18回大会 | 「みんなが楽しめるゲームの工夫(主に低学年のボール運動)」 |
| 第20回大会 | 「児童ひとりひとりが楽しく意欲的に取り組む体育指導のあり方」 |
| 第23回大会 | 「みんなが喜んでボール運動(ボール遊び)に取り組む学習の指導はどうすればよいか」 |
| 第28回大会 | 「一人ひとりの子どもの自ら学ぶ力を育てる体育学習をめざして-陸上・ボール・器械運動を通して-」 |
| 第35回大会 | 「一人一人がボールゲーム・ボール運動の楽しさを味わうことができる学習活動の工夫」 |
| 第40回大会 | 「自ら学び、磨きあう体育学習-ゲーム・ボール運動を通して-」 |
| 第41回大会 |
「体を動かす心地よさと共に高め合う喜びを実感できる体育学習」 研究実践:ドッジボール 「運動を楽しむ心をはぐくみ、生き生きと動ける体をつくる学習 研究実践:タグラグビー |
ボール運動は、ゲームをともなうため児童が興味と喜びを持って取り組みやすい運動である。したがって、ゲームに必要な技能面の習得にも児童の目を向けやすく、効果的な基礎的技能の指導に焦点が当てられた。そのため、技能の系統性が重んじられた。(第1回、第2回、第3回、第4回、第5回、第7回)。
ついで、個人技能と集団技能の関係や練習がゲームヘ生かされないことが課題となり、ゲームから授業を捉えるようになっていった。そこではゲームの様相の発展過程に応じた指導が実践検証され、練習とゲームのかかわりと展開が解明されてくる(第7回、第8回、第9回、第11回、第13回、第14回)。
しかし、この後、取り組みやすさに依拠する教師の漫然とした指導や反対に勝敗に固執する過剰な指導も問題として認識され、楽しいゲームを生成していく主体的学習過程が追求されることとなる(第15回、第16回、第17回)。そこでは、楽しいゲームの教材開発を経ながら(第18回、第20回)、単なる楽しさではなく活動欲求、協力連帯、技能向上、発見工夫といった価値の高い楽しさを体得するための指導過程の工夫や学習課題の持たせ方が検討され、他の領域と同様に、めあての明確化や課題解決学習がはかられるようになった(第20回、第23回、第28回、第35回、第40回)。
分科会主題(表現運動、リズム運動およびダンス領域)
| 第1回大会 | 「リズム運動において、創作力を高めるためには、どのようにしたらよいか」 |
|---|---|
| 第2回大会 | 「リズム運動を興味づけながら、効果的に学習させるには、どのように指導すればよいか」 |
| 第3回大会 | 「内容に適した動きを引き出すためのくふう」 |
| 第4回大会 | 「リズム運動における指導の問題点」 |
| 第5回大会 | 「リズム運動」 |
| 第7回大会 |
「限られた時間内にリズム運動の効果的指導をどのようにしたらよいか」 |
| 第8回大会 | 「いろいろなよい動きを見つけ出させるには…」 |
| 第9回大会 | 「興味をもたせ、内容にあった調子のよい動きをひきだすには」 |
| 第11回大会 | 「興味をもたせながら、動きを引きだす効果的な表現学習の指導はどうしたらよいか」 |
| 第12回大会 |
「高学年における技能の高め方」 「創作能力を高める指導」 |
| 第13回大会 | 「表現運動における子どもの意識」 |
| 第14回大会 | 「よい動きに高めるための指導のくふう」 |
| 第15回大会 | 「子どもが喜び、生き生きと動くダンスの指導を求めて」 |
| 第16回大会 | 「楽しく 豊かで 深みのあるダンス学習をめざして」 |
| 第17回大会 | 「だれでもたやすくとりくめる表現(模倣)運動の指導」 |
| 第21回大会 | 「リズムと動きの工夫」 |
| 第23回大会 | 「一人一人が喜んで表現運動に取り組む学習の指導はどうすればよいか」 |
| 第24回大会 |
「一人ひとりの子どもが意欲をもって取り組む楽しい体育学習をめざして-模倣の運動・表現運動-」 「子ども一人ひとりが楽しく体育学習に取り組む指導法の研究-変身する楽しさを追求する表現運動-」 |
| 第32回大会 | 「一人一人が意欲的に取り組む楽しい体育-器械運動・表現運動を通して」 |
表現運動は、指導方法が難しい領域であるという認識が底辺に存在する。その困難さ1つにはイメージ、リズムといった型として捉えにくいものを対象に含むことにある。これが指導方法の一般化を困難にしている。各分科会のテーマは、この困難さとの格闘と言えるかもしれない。
以下に、解明を試みた対象を列挙してみる。教師の主題のおさえ(第2回)。心の働きでとらえたものをからだの動きでとらえなおす(第5回)。イメージの焦点化(第13回)。表したい内容にぴったりした自然な動き(第14回)。表現の中核的活動(第15回)。不明確な到達目標(第16回)。リズミカルな動き(第23回)。
これらの困難な課題を解明しつつ、それに基づいた指導過程を検討・確立しようと毎年実践している姿が浮かび上がってくる。
分科会主題(総則に関する体育)
| 第11回大会 | 「教育活動全体を通して、体育活動を効果的に進めるためにはどのようにしたらよいか」 |
|---|---|
| 第13回大会 | 「総則体育の趣旨を生かす学校経営はどうあればよいか」 |
| 第14回大会 | 「学校・地域の特性に応じた指導の工夫」 |
| 第15回大会 | 「健康の増進と体力の向上をめざして」 |
| 第16回大会 | 「よろこんで実践する総則体育をめざして」 |
| 第17回大会 |
「地域性を生かした体育の生活化をめざして」 |
| 第42回大会 |
「『かかわり合い』を大切にした『からだ育て』」~からだ わくわく ぐんぐん わたし~ 「主体的に取り組む子どもをめざして-心が動く、体が動く- 」 |
| 第45回大会 |
「運動の楽しさを味わうとともに、進んで体力を高めようとする児童の育成」 |
| 第46回大会 |
「豊かなかかわり合いの中で、運動の楽しさを求め、健康を育み、体力を高める児童の育成」 |
広い領域分野(業間、クラブ活動、自由時体育、体育行事)が教科体育と有機的なつながりを持ち運営指導されるとき、体育科教育の効果があがることは確かであるが、解決すべき問題も多い。それらの紹介と解決への試みの跡である。
分科会主題(体育学習全般)
| 第2回大会 |
「体育施設・用具を整備充実させるための工夫と、その活用法はどのようにすればよいか」 「体育における評価の観点をどのようにおさえたらよいか」 |
|---|---|
| 第6回大会 | 「基礎的な運動能力を養い、活動力を高めるための学習指導はどうすればよいか」 |
| 第8回大会 |
「特別教育活動と体育」 「施設用具の活用と体力づくり」 |
| 第12回大会 | 「狭い校庭の利用と施設・用具のくふう」 |
| 第19回大会 |
「一人ひとりが生き生きと取り組む学習-確かな力を育てる-」 「よろこびと意欲をもって取り組む体力づくり-運動の生活化をめざして-」 「学校における体育的活動の効果的指導-特に望ましい態度・習慣の育成-」 |
| 第20回大会 |
「子どもたちの運動不足を解消し、多くの運動経験をさせ、運動好きな子を育てる(学校生活と体育)」 「主体的に学びとっていく力を育てる授業(基礎学力と評価)」 |
| 第21回大会 |
「工夫をこらしたよりよい動きづくり」 「課題をもって楽しく運動させるには-やる気をおこさせる体育指導を求めて-」 |
| 第22回大会 |
「めあてに向かい楽しく学ぶ子の育成をめざして-学習カードを活用して-」 「いきいきと活動する子をめざして-体育学習の道すじをもとにした指導-」 「楽しんで運動する子を育てる体育学習の研究」 「楽しい体育学習をめざして」 「意欲をもって活動するための工夫-運動の特性をふまえた体育指導-」 |
| 第24回大会 |
「一人ひとりが生き生きと運動に取り組むための体育学習指導法-個に応じためあての持たせ方-」 「自分の体力を知り、めあてをもって楽しく取り組む体育学習のあり方はどうあればよいか」 |
| 第25回大会 |
「集団の中で個人が育つ指導を求めて」 |
| 第26回大会 |
「めあてを持って意欲的に学習させるための指導の工夫」 「進んで体力つくりに取り組む児童を育てる指導の工夫」 「運動の楽しさが体得できる学習活動の工夫」 |
| 第27回大会 |
「運動の楽しさにふれる教材づくり」 「自ら学が子供を育てる指導と評価」 「健康でたくましい体と豊かな心を育てる体力つくり-体育的活動と遊びを通して-」 「健やかで 活力あふれる 子どもの育成を目ざし-一人一人が意欲を高める体育学習-」 |
| 第28回大会 |
「人間性豊かで たくましい児童の育成-子どもが自発的・自主的に運動する力を育てる体育学習の追及-」 「生涯にわたって健康体力つくりを目ざす児童の育成」 「自分で考え、進んで学習する態度を育てるための体育指導のあり方-個に応じた指導と評価-」 「一人ひとりが伸びる体育学習」 「一人ひとりがカいっぱい運動して、運動の楽しさを体得させるにはどのようにしたらよいか」 |
| 第29回大会 |
「自主的に学び続け、一人一人が高まる体育学習」 「生き生きと運動に取り組み学ぶ力を身につける体育学習」 「意欲的に学ぶ子の育成-自分とのかかわりで 追求を深める学習-」 「ひとりひとりが進んで学び合う体育学習」 「一人一人がよりよい動きを求め高め合って運動する体育学習」 |
| 第30回大会 |
「一人ひとりが主体的に取り組み、動きを高める体育科学習」 「一人ひとりが意欲的に取り組み、自らの力を伸ばす体育学習のあり方」 「学ぶよろこびをもたせる学習の手だてはどうあればよいか」 「力をあわせ、意欲的に体力つくりに取り組む子どもの育成」 「個を生かす学習活動の創造-課題から問題成立までの組み立て-」 |
| 第31回大会 |
「自分のめあてを持ち、意欲的に運動に取り組む子」 「子どもが自ら取り組む動きづくり-友達とのかかわりを核にした授業改善の工夫-」 「運動の楽しさにふれ、自分から体力・技能を高める子を育てる体育学習」 「一人一人が運動の楽しさを見つけ、力いっぱい取り組む体育学習」 |
| 第32回大会 |
「自ら取り組む楽しい体育-健康づくりの日常化・生涯化を目指して-」 |
| 第33回大会 |
「めあてを持ち楽しさや喜びを味わう体育学習」 「ふれあい、感動のある体育学習-協力し合い、励まし合い、がんばりぬく子をめざして-」 「すすんで取り組み、みがき合う子の育成-めあてを持ち、粘り強く体力つくりに取り組む子を求めて-」 「生き生きと活動する子どもをめざして-一人一人がよりよい動きを求めて高め合う体育学習-」 |
| 第34回大会 |
「自ら進んで追求し、学び合うことで運動の楽しさを味わう体育学習」 「自ら求め、たくましく生きる児童の育成-運動の楽しさにふれ、意欲的に取り組む体育学習-」 「自ら課題をもって取り組み、運動する喜びを追求し続ける子どもをめざして」 「運動の楽しさを味わい、進んで子どもたちがつくる体育学習-一人一人が生きるティームティーチングによる授業づくり-」 |
| 第35回大会 |
「一人一人が運動の楽しさをすすんで求めることができる学習活動の工夫」 「一人一人がよさや可能性を発揮することができる学習活動の工夫」 |
| 第36回大会 |
「児童が自発的・自主的に取り組む体育学習をめざして」 「一人一人が楽しく意欲的に取り組む体育学習の在り方-すべての子どもが、運動の楽しさに触れる指導方法の工夫-」 「運動の楽しさを味わい、自ら進んで取り組む体育学習をめざして」 「一人一人が楽しさを味わい、共に高め合う体育学習」 |
| 第37回大会 |
「互いの良さを認め合いながら、運動の楽しさを求める子供をめざして」 「友達と共に運動の楽しさや喜びを求めていく子供を目指して」 「どの子も、運動の楽しさや喜びを味わう体育学習」 「お互いのよさに学び共に高め合いながら、運動の楽しさを求め続ける子供を目指して」 |
| 第38回大会 |
「今を楽しくもっと楽しく、共に学び合う体育学習の創造」 「一人一人が自らめあてに向かい、いきいきと学び合う体育学習-ティームティーチングによる指導・支援と評価を通して-」 「めあてを持ち、共に学び合う体育学習のあり方」 「運動する楽しさや喜びを体感していく体育学習」 |
| 第39回大会 |
「友達と関わり合いながら、運動の楽しさや喜びを求めていく子どもをめざして」 「自分の思いや考えを生き生きと表現する子を育てるための指導法の研究」 「意欲をもち、生き生きと学習する子を育てる指導法の研究」 「意欲をもち、生き生きと運動する子を育てる指導法の研究」 |
| 第40回大会 |
「思いやりの心をもち、いきいきと学ぶ子どもの育成-総合的な学習の時間と体育学習の実践を通して-」 「友達と進んで取り組み、自他の体に関心をもち、運動の楽しさを味わう体育学習のあり方」 「自ら学び、考え、行動する「生きる力」をはぐくむ学習活動の創造-仲間と関わり、主体的に取り組む楽しい体育学習- |
| 第41回大会 |
「楽しさ・うれしさを味わいながら、運動にかかわり続ける姿を生む体育学習」
「豊かにかかわり合いながら運動する喜びを実感できる体育学習」 |
| 第42回大会 |
「自ら進んで生き生きと活動する子どもの育成をめざして」 -夢中がいっぱい- 「運動とのかかわりを深めていく子ども」 -出会い・学び合い・遊び合いを大切にして- |
| 第43回大会 |
「子どもの主体的な学びと豊かなかかわり合いを育む体育学習をめざして」 ~子どもと教師の営みに焦点をあてて~ 「豊かなかかわり合いを通して、ともに学ぶ喜びを実感できる体育学習」 「個に応じた確かな体育学習をめざして」 |
| 第44回大会 |
「仲間とのかかわりを契機に、運動へのかかわりを深めていく子どもの育成」 「主体的に学び続ける子供をはぐくむ体育学習」 「ともに高め合い、生き生きと運動を楽しむ子供の育成」 「自らの運動の楽しさを求め、学ぶ喜びを実感できる体育学習」 |
| 第45回大会 |
「共に運動する楽しさを味わい、心豊かにたくましく生きる児童の育成」 「豊かなかかわり合いをもちながら、主体的に運動に取り組む児童の育成」 「自ら学び自ら考え、いきいきと運動を楽しむ児童の育成」 |
| 第46回大会 |
「主体的に学習し、すすんで問題解決する児童の育成をめざして」 ~めあてをもって力いっぱい活動し、共に学ぶ体育科の学習を通して~ 「自らの健康に関心を持ち、進んで運動の楽しさを求める児童の育成」 ~自発的な学習過程への支援のあり方を求めて~ 「進んで運動に親しみ、できる喜びを分かち合える児童の育成」 ~九小のなかまと輝く 心と体~ 「児童が自発的に取り組む授業づくり」 ~ともに学び合い、教え合う体育学習をめざして~ |
| 第47回大会 |
「運動の楽しさを実感し、意欲的に運動に取り組む子どもが育つ体育授業」 「確かな運動技能を身に付ける子どもの育成」 ~運動の思考・判断の力を高める指導を通して~ 「心身ともに健康でたくましく生きていく子どもの育成」 ~基礎・基本を活用し、わかってできる北厨っ子をめざして~ 「共に学び達成感を感じながら、進んで運動に取り組む子どもを目指して」 ~指導と評価の一体化した授業づくりをとおして~ |
| 第48回大会 |
「いきいきと運動や心身の健康づくりに取り組む児童の育成」 -豊かなかかわり合いを通して- 「かかわりあって、ともに高めあう体育科の学習 -「自己」と「教材」と「仲間」との『豊かなかかわり』を生み出す体育学習を求めて- 「豊かにかかわり合いながら運動を楽しむことができる子どもの育成 -言葉やイメージのやりとりを通して- 「運動の心地よさを味わわせ追及と習得の力を伸ばす体育学習 -「やってみたい」が連続するために- |
ここには領域で括ることができない主題をまとめたが、第19回大会(1980年)以降とそれ以前では、明らかな違いが見られる。1980(昭和55)年より以前は、第2回や第8回に見られるように施設や用具の検討か、教科外の体育的活動の検討であり、それ以降は、領域を超えてどのようにして、児童の関心、意欲、態度面あるいは知識面を育成するかを対象としたテーマである。これは明らかに1977(昭和52)年の学習指導要領の改訂内容と関係している。
1977(昭和52)年の改訂後を前項「学習指導要領の変遷」では、「楽しい体育の時期」として表した。ここでは運動の特性を機能的な側面から捉え、その機能に触れることに楽しさの源泉があるとしている。したがって、1980年以降は、機能的特性とかかわりながら、楽しい体育が主たるテーマとなって展開していくが、その中でも幾多の変遷がみられる。
これまでの「できる」ことをめざした効果的な指導実践は児童の技能体力面で成果を得たが、自主性を軽んじる結果になったことを反省しながら、「めあてができる」をめざしての自主的創造的な学習の検討から始まる(第22回)。この時、主体は児童であるが、教師には的確な指導や「めあて」の方向性を示したり、解決の場をつくる「手だて」が求められた(第22回、第24回)。このめあても手だても動きや技能と児童の実態、能力の間でいろいろなあり方が検討される(第24回、第26回、第27回、第28回)。そうした中で、自主的、主体的に取り組む態度に物足りなさを感じる(第28回)。ここより、「できた」「わかった」という喜びをともなった学習の必要性および見通しとできるという自信の重要性が指摘(第29回、第30回)されるとともに、この喜びと知能、知識・理解、運動、友人との関係が検討される。技能、運動はともに教材あるいは題材としての児童との「出会い」方が具体的に検討され(第30回、第31回)、友人との関係はふれあい、はげまし、協力から相互交流、相互理解を経て、共感、共生(第29回、第31回、第33回、第36回、第37回、第38回)に至っている。そして、これらは統合され、「体育の学習は自己、他者、ものの出会いの場」(第39回、第40回)と捉えられるまでになった。
